先日、中学校の同窓会がありました。
ウン十年生きていれば、それぞれにいろんなことが起きていましたが、驚いたのが離婚率(別居中や調停中の方も含む)の多さ。

考えてみれば、今、日本では、3組に1組が離婚をしています。実際に、2022年の統計によると、婚姻件数が504,930組、離婚件数が179,099組で離婚件数の割合は約35%。3組に1組が離婚となっています。
そして、これは2020年の統計ですが、婚姻期間別の離婚率をみると、最も離婚率が高いのは結婚してから1〜5年未満、結婚してから1年未満に離婚する夫婦も全体の5.9%という結果が出ています。
2019年の世界の離婚率の統計によると、主要国と比較すると日本の離婚率は低いですし、社会の状況も様々変わっていること、夫婦の問題は外側からはわからないことも多いので、離婚すること自体に対して良い悪いと言う気は一切ありません。
(厚生労働省のデータを参考にまとめている下記のサイトを参考にしています。
https://asiro.co.jp/rikon/28280/)
ただ、同窓会にいた旧友たちは、子どもに会えないことを寂しがっていたし、きっとお子さんも寂しく思っていたり、悩んだりすることがあるかもしれないと思うと、何かできることはないのか?と考え始めました。
必要なのは忍耐??
よく、今の人は昔の人と比べて“我慢”や“忍耐”が足りないという言葉が聞かれます。
“我慢”や“忍耐”という言葉には、力で押さえつける、抑圧する、というイメージがありますが、皆さんはいかがですか?
私は今年、結婚11年目を迎えますが、違う価値観を持つ者同士が1つの家庭を築くのだから、それなりに“我慢”や”忍耐”が必要な場面は出てくるとしても、結婚を維持するための秘訣が“我慢”や“忍耐”で片付けられてしまって、耐え忍ぶものとなってしまうのは、悲しすぎると感じます。
そして、“我慢”や“忍耐”が足りないという言葉は、早期離職者に対しても聞かれる言葉ではないでしょうか?
厚生労働省の発表によると、2022年の日本の離職率は15.0%。
また、同じく厚生労働省による、2020年3月に卒業した新卒就職者の状況の調査によると、就職後3年以内の離職率は、高卒就職者が37.0%、大卒就職者が32.3%という結果でした。
(参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00006.html#:~:text=厚生労働省は、令和,ポイント上昇)となりました%E3%80%82)

2020年からの3年というと、コロナの影響を大きく受けて、働き方や暮らし方の価値観も大きく変化した期間だと思います。ですが、実は、過去20年の大卒就職者の早期離職率の平均は32.9%で、それほど変わらず、コロナ禍の影響を1番受けたと思われる、2020年4月〜2021年3月の離職率やリーマンショックの影響のあった2010年に大学を卒業し就職した人の離職率は少なくなっているのです。
(参考:https://kailabo.com/soukirisyoku/16539/)
これは同参考記事には、コロナ禍やリーマンショックの影響で、離職したら再就職が難しいだろうという心配からその年の離職率が低くなったのではないかという予測がありましたが、私も同感です。
言い換えれば、仕事に就けていることの有り難みを感じられていると離職率が下がると考えられます。
忍耐ではなく、感謝を!
離婚率や離職率を下げるために、キーとなるのは、結論からお伝えすると、有り難みを感じること、感謝の気持ちを持つことだと考えます。
離婚理由と離職の理由の上位は下記のとおりです。
<離婚理由>
協議離婚が主であるため、明確な理由はわかりづらいようですが、離婚調停を申し立てた理由を2021年の司法統計からまとめていらっしゃる方のデータを見つけましたので、それを元にご紹介します。
・性格の不一致 25%
・精神的虐待 14%
・生活費を渡さない 14%
・暴力 9%
・異性関係 7%
(https://sendai-rikon.com/統計データによる最新の離婚理由ランキング/)
<早期離職者の理由>
・仕事が自分に合わなかった 43.4%
・人間関係がよくなかった 23.7%
・労働時間、休日、休暇の条件がよくなかった 23.4%
・賃金がよくなかった 20.7
(2017年度に内閣府が実施したデータによる
https://www.dodadsj.com/content/230831_early-retirement/#:~:text=早期離職が起こる原因,-ここまで近年&text=離職の理由として最も,20.7%と続きます%E3%80%82)
離婚に対しても、離職率同様に感謝の気持ちを持つことで離婚率が下がるのではないか?という視点で見ていきたいと思います。
昔は、離婚することの世間的なハードルの高さがありました。
また、離婚したくても、経済的な自立がなかったために我慢した女性が今よりも多くいたでしょう。
1986年には、“亭主元気で留守がいい”という言葉が流行語になったように、たとえ夫が家のことをやらなくても、元気に外で働いて、お給料を持ち帰ってきてくれれば、妻は夫がいない間自由に出来たし、婚姻関係はある程度維持できたのではないでしょうか?
(1985年の離婚率は22.6% 参考:https://www.adire-rikon.jp/special/02.html)
妻にとっては夫が働いてくれるから生活できるというわかりやすく感謝を感じやすい側面があったのではないでしょうか?
また、男性にとっても、昔の男性は今よりも料理や洗濯など家のことをする人が少なかったので、自分が家のことを心配しないで働けるのは妻のおかげだということを、(面と向かって言う人は少なかったとしても、)ちゃんとわかっていたのではないでしょうか?
現在は、結婚後も女性も働く人が増えて、経済的に自立している妻も増えています。
一方で家事の分担は従来通り妻の負担が大きく、女性は家事+仕事(+子育てということもよくあります)と自由に過ごせる時間が減っているので、夫が働いていることに対して感謝の気持ちが湧きにくいとしても当然かと思います。(OECDによる調査で主要7カ国のうち、夫婦での家事分担率は、日本の男性の家事負担率は最下位)
(https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/zentai/html/column/clm_01.html)

男性側からすると、感謝を感じにくい理由には2つの側面が考えられます。
1つ目は、自身が家事が出来る場合。
昔と比べて家事が出来る人も増えていますし、食事ならコンビニやスーパーで済ますこともできるので、家のことに関しては、妻という存在がいなくても生活できてしまう面があるのでしょう。
2つ目は、女性が家事をするのが当たり前という価値観がある場合。
母親が家事をするのが当たり前という環境で育つと、自分が結婚しても妻が家事をするのが当たり前だという価値観が出来ます。
すると、自分で家事をやる機会もどんどん減るので、その大変さにも気づきません。
その結果、家事をしてもらうことへの感謝の気持ちが湧きにくいことが考えられます。
昔はある意味、役割分担がはっきりとしていた分、自分に出来ないことは相手がしてくれるものとして、感謝をしやすかったり、一緒にいることの意味がわかりやすかったのかもしれません。
今は、物質的に豊かになり、生活も便利になったことで、誰かと一緒じゃなくても生活ができてしまうため、相手の存在がいかに貴重かに気づきにくく、その結果、お互いへの感謝の気持ちや敬意を抱きにくくなっているのではないでしょうか?
結婚や仕事を長続きさせる秘訣
ただ生活することと、家庭を築くことや人生を歩むことは違います。
食べて、飲んで、排泄して、寝て…と生活するだけなら、体が動くうちは一人でもできますが、家庭は一人では築けません。
また、ずっと自分だけの世界にいるよりも、誰かの視点も加わることで、新たな世界が広がるし、生きがいを感じたり、体だけを生かすのではなく、心をもって人生を楽しむことができるでしょう。
離婚した方が子どもは好きだけど、別れたパートナーのことは好きじゃないと言うのを聞くことがありますが、その大好きな子どもは、別れたパートナーがいなければこの世に存在していないのです。
相手の存在全てに感謝をすべきとは思いませんが、新しい命を生み出すほど縁があった相手なのだから、性格が合わない面があったとしても感謝の気持ちを持つことで、その分をカバーすることもできるかもしれません。
仕事についても、縁があって就いた仕事です。その仕事に就きたくても就けなかった人もいるでしょう。
コロナ禍やリーマンショックの時のように、先がわからないという理由で続けることができる仕事なら、仕事があることの感謝に目を向けたり、職場を通じての出会いや学びに感謝という視点を意識してみると、離職以外の選択肢が見えてきて、やっているうちに面白くなるという可能性もあるでしょう。
そうは言っても、物質的にも、精神的なストレスなども、いろんなことが飽和状態で、些細なことに感謝するということが難しくなっているかもしれません。
例えば、私の場合は、本当に些細なことですが、虫が苦手なので、家の中に虫が入ってきてしまった場合、それを退治してくれる夫を頼もしく感じたり、やんちゃな息子たちの遊び相手をしてくれる場面でも夫の存在に感謝しています。
また、夫は私に対して、やんちゃな息子たちを毎日相手にしていることに「すごいね」と言ってくれますし、夫は何曜日に何のゴミを捨てるかも知らないので、ゴミ捨てなどの些細な家の事に対しても「ありがとう」とよく言ってくれます。
アウトドアタイプの夫とインドアタイプの私なので共通の趣味ができたのは、結婚してから8年くらい経ってからでした。私が苦手な家事のほとんどを担当していますが、それでも、今まで一度も離婚という文字が浮かばないでやってこられたのは、夫が些細なことにも「ありがとう」という気持ちをちゃんと言葉にして伝えてくれるからです。

実は、今までにも夫婦関係について離婚したいというご相談を受けたことが複数ありますが、いずれも本当に嫌いだったのではなく、根底にある気持ちは「わかってほしい」「受け入れてほしい」「存在を認めてほしい」といった愛を求めるものでした。
あるご夫婦は、離婚を考えていたところから、良き相談相手へと変化しました。
その奥様がしたことは、ご主人に「ありがとう」と伝えることでした!
元々ご主人は、「ありがとう」などを言ってくれない方で、奥様はその点に不満を持っていましたが、奥様から意識的に「ありがとう」と伝えることで、ご主人もだんだんと「ありがとう」と言ってくれるように変化されたのです!
感謝の気持ちを持つために
①ないものではなく、あるに目を向ける
相手や、仕事、今いる環境に感謝の気持ちを持てないという方は、ないものに目が向いていて、すでに【ある】ものに気づけていないのかもしれません。
病気になって初めて、健康のありがたみを感じるように、“当たり前”だと思っていることには、意識しないとありがたみがわからないものです。
でも、この世界に当たり前のことは1つもなく、失ってからでは取り戻せないものもあります。
②自分への感謝を意識する
自分が満たされていない状況で、他者や周りに感謝の気持ちを持つことは難しいです。
まずは、自分に対して「ありがとう!」とたくさん伝えてあげましょう!
今日も元気でいてくれてありがとう!
おいしいご飯を食べてくれてありがとう!
見たかった映画を見てくれてありがとう!
些細なことでいいんです!!
すると、自分が満たされるだけでなく、「ありがとう」と伝えることに慣れてくるので、周りに対しても「ありがとう」という言葉が自然と出てくるようになります。
③自分を知り、謙虚でいる
また、離婚の理由で1番多い「性格の不一致」と、離職の理由で1番多い「仕事が合わなかった」というのは、同じ理由です。
結婚も仕事もやってみなければわからないことはたくさんあると思いますが、不一致を避けるために必要なことは、【自分を知ること】です!
相手を知ることももちろん大切ですが、自分のことがわからないのに、相手のことはわからないし、相手がどんな人なのか、どんな仕事なのかわかったところで、自分が何が好きなのか、どうしたいのかなど、自分のことがわかっていなければ相手が自分に合うかどうかわかりません。
とは言っても、自分のことをわかるのは、簡単なことではありません。
私は「無理」という言葉が好きではありませんが、2、30代でわかるのは無理でしょう。
だからこそ、自分だってわからない自分に対して愛情や可能性を感じて、信じてくれた相手(仕事)だと思うと、謙虚さや感謝の気持ちがそこからも湧くかもしれません。
離婚や離職が自分にとっての正解となることもあるでしょう。
ですが、正解となるのは、愛をベースに選択したときです!
周りを責めてばかりいる状態は、愛の状態ではありません。
自分がどの視点から物事を見るか、言い換えればどこに意識を向けるかで、見えてくる現実はいかようにも変わります。
自分にも、周りにも感謝をもって接して、愛をベースに選択していきましょう。
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